スマホ解禁で激変する学校行事。「紙のしおり」は絶滅するのか?2026年の修学旅行最前線
修学 旅行 しおり。かつてはイラストを描き込み、ホチキスで留めたあの冊子が、今やスマートフォンの画面へとその姿を変えつつある。
文部科学省が進めるGIGAスクール構想が定着した2026年現在、多くの学校がデジタル版の修学 旅行 しおりを導入し、リアルタイムでのスケジュール共有や緊急連絡の効率化を図っている。しかし、この急速なデジタル移行に対して、教育現場や保護者からは戸惑いの声も上がっているのが現状だ。
アプリ化がもたらした圧倒的な利便性と「リアルタイム更新」の衝撃

「京都の班別行動中、生徒がどこにいるか分からない」。そんな教員たちの長年の悩みが、デジタル化によって一気に解消されつつある。現在主流となっている修学旅行専用アプリでは、GPS連携による位置情報共有機能が標準装備されているからだ。
電車の遅延や天候急変による急なスケジュール変更も、管理画面から一斉送信するだけで生徒の端末に即座に反映される。かつてのように、駅の改札前でメガホンを使い、全員に予定変更を伝達する光景は過去のものとなりつつある。ペーパーレス化による印刷コストの削減や、直前の修正が容易である点も、多忙を極める教員たちにとって大きなメリットだ。
「紙派」の逆襲?書き込みや思い出の品としての価値を再評価する声

一方で、すべてをデジタルに置き換えることへの疑問視する声も根強い。都内の公立中学校に勤務するベテラン教諭は、「紙のしおりには、生徒たちが夜遅くまで部屋で話し合って書き込んだメモや、訪れた場所のスタンプなど、旅の『体温』が残る」と語る。
タブレットやスマホの画面は便利だが、卒業後に見返すアルバムのような役割を果たすことは難しい。また、保護者からも「修学旅行が終わった後、子どもがボロボロになったしおりを見せながら思い出を話してくれた。デジタルデータだけでは、そうした親子の会話が生まれにくいのではないか」という懸念が示されている。
紛失リスクとプライバシー。デジタル化がはらむ新たな課題

デジタル移行は利便性をもたらす一方で、新たなリスクも生み出している。最も顕著なのが、端末の紛失や破損だ。旅行先での興奮から、スマートフォンを紛失したり、落として画面を割ったりするトラブルが後を絶たない。
さらに、GPSによる位置情報の常時監視に対しては、生徒のプライバシー観点から懸念を示す専門家もいる。「安全管理のためとはいえ、24時間行動を監視されているような感覚を抱く生徒もいる。利便性とプライバシーの境界線をどこに引くべきか、学校側は慎重な判断を迫られている」と、教育評論家は指摘する。
生徒たちが自らデザインする、令和・Z世代流の新しい「旅のガイド」
こうした中、単なる予定表のデジタル化にとどまらず、生徒たちの主体性を引き出すツールとして活用する動きも出てきている。一部の高校では、NotionやCanvaといったデザインツールを使い、生徒自身がオリジナルのデジタルしおりを作成する授業を取り入れている。
単に行き先を調べるだけでなく、現地の歴史や文化を事前にリサーチし、リンクや動画を埋め込んだ「自分たちだけのガイドブック」を作り上げる。これにより、修学旅行は単なる観光旅行から、探究学習の発表の場へと進化を遂げている。自分たちが作ったデジタルコンテンツだからこそ、生徒たちの愛着もひとしおだ。
ハイブリッド型の模索。デジタルとアナログの最適なバランスとは
デジタルか、アナログか。二者択一の議論を超えて、現在多くの学校が模索しているのが、両者の強みを融合させた「ハイブリッド型」の運用だ。
例えば、全体のスケジュールや緊急時の連絡網、地図などはスマホアプリで一元管理しつつ、旅の記録や振り返りシート、現地でのスタンプラリーなどは紙の冊子として残すというアプローチだ。この方法であれば、安全管理の効率性を担保しつつ、手元に残る思い出としての価値も守ることができる。時代が変わっても、修学旅行が人生の大きな節目であることに変わりはない。変わりゆく「しおり」の形は、現代の教育現場が直面する変化と葛藤を色濃く映し出している。 (出典: 修学 旅行 しおり(Yahoo!ニュース))